なぜ時代劇は滅びるのか [和書 エッセイ]
ちょっとずつバックデートしよう。
数ヶ月前、ラジオで著者がしゃべっているのを聞き、とっても興味があったので、東京に行ったときに購入。 そうだ、思い出した・・・面接に行ったときだ。 有楽町の三省堂書店で買ったぞ。 あー、ちょっと思い出した。
さて。 ワタシは子供の頃から時代劇が結構好きで、水戸黄門をはじめ、三匹が斬るとか独眼竜正宗、年末は必ず忠臣蔵、と 違和感なく時代劇を見てきた。 いつの頃からか時代劇の放送自体がなくなり、とんと見ることがなくなった。 そもそも、最近はテレビ自体をまったく見ないので、世の中で何が好まれているのかとか流行がわからない。 別に知らなくても良いと思っていたが・・・。
この本は、何故時代劇が衰退し、テレビ放送から消え去ったかの考察と検証が書かれていて、正直、激しく同意であった。 ただね、いわゆる『ザ・時代劇』という、なんと言うかな・・・ワンパターンの安定感がある話も嫌いではない。 水戸黄門は、この時間に印籠を出す、それを見るのが楽しみ・・・というのもあるわけ。 ワタシは必ずその時間に二階から降りてきて、『控えぃ、控えぃ! ここにおわすお方をどなたと心得る? 水戸光圀公にあらせられる。 えぇい、頭が高い! 控えおろう!』 という紋所をだすのを一緒にやり、あの東野英治さんの『カッカッカッカ!』という笑い声を聞くのが大好きだった。←これは再放送のほうだったと思うが。 とにかく、あれが良いんだよ、あれが。
それに、昔の役者さんたちはうまい。 ちゃんと活舌も良いし、立ち回りもうまい。 ちゃんと役者を勉強して骨身に染み付けた人たちなんだなぁと、今ならわかる。 それに気付いたのが、昨年の『るろうに剣心』。 んまー、興ざめよ、興ざめ。 あれでよくも『役者です、女優です』なんていえるもんだ、と思う。 だから、最近のテレビは見たくないんだと思う。
その思いが、まさに著書に書かれていて、本当に大いに納得・同意であった。
時代劇が古臭いわけではない。 作り手と演技手の傲慢が、こういう状況を作っているのだと思う。 だって、時代小説には、面白いものがたくさんある。 なのに、それを知識も技術もない、付け焼刃で映像にしようとするから『興ざめ』するんだよね。
ま、映像は良いよ。 ワタシは自分の頭の中で、人々を動かし、生き生きとした姿が見られれば。 ただ、昔のような面白い時代劇、カッコいい時代劇、勧善懲悪の時代劇が見たいもんだ。 気骨ある作品を見てみたい。 (読了日:2015年3月15日)
おススメ度: ☆☆☆☆☆
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