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さいはての二人 [和書 小説]

大人買いした本の中から。 一気に2時間ほどで読み上げてしまったが・・・ 涙、涙であった。

著書、生前最後の小説らしいが・・・端々から「生きる」ということについて考えさせられることが垣間見られた。 3作、いずれも生と死についてかかれたもので、一番心にずっしり来たのが「遮断機」であった。 同じことをワタシも考えているから。 心を見透かされた感じでもあった。 ただ、著者が本当に思い悩んでいたことが手に取るようにわかる。 そしてワタシも相当思い悩んでいるであろうことに気づいた。

なんとなくこのままだと取り憑かれたまま、著者と同じ道をたどりそうな気がするので、次の本に行ってみたいと思う。 ただ、いい話だと思う。 そして著者には生きていてほしかったと思う。 
(2011年7月8日読了)

<再読>
なんとなく本棚においてあったこの本と目が合い、読み始める。 前も読んだときと同じく、涙が出た。

著者は自らの命を絶ってしまったのだが、彼女の目には何が映っていたのだろうか。 生と死に対して、何を思ったのであろうか。 新たな命、消えていきそうな命、自らの命・・・この3つの命について書かれいるのだが、何が言いたかったのだろうか。

他の作品も読んでみたくなった。 久しぶりにブックオフに行こうかな・・・。

さいはての二人 (角川文庫)

さいはての二人 (角川文庫)

  • 作者: 鷺沢 萠
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2005/04/23
  • メディア: 文庫


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外面が良いにも程がある。 他3作 [和書 電子書籍]

たまたま何かの無料ページで読んだ漫画だったんだけど、続きが気になって仕方なかったので、Kindleで購入。

ワタシのツボにどんぴしゃではまった!! なので、一気に追加で3冊購入。 いやー、勢いって怖い・・・。

主人公は外面が良い、モテ男。 元カノ主催に合コンに参加したが、相手の女子に点数を付けて合コンのよしあしを決める、最低男。 しかしその中の地味な20点オンナを追いかけて、ついついデートの申し込みを・・・。 しかし純粋な彼女に少しずつ惹かれていくが・・・ 最後のどんでん返しが、すっごく面白い!! 『わかる、わかるよ、その意味!!』 と、ものすごく同意してしまった・・・。

他のお話でも、ものすっごい仕事ができる女子が、できるが故にモテないのでお馬鹿を装って仕事をする話とか、二股かけられた挙句にデキ婚で捨てられる女子の話とか・・・ キツイ話もあるけれど、全体的に『カワイ子ぶって仕事が出来ない女より、出来る女のほうが選ばれる』ってところが、ものすごく気に入った!!! そうなのよ、飾りもんの手なんか、いらないんだって。 仕事できる手が一番美しいのだよ!!(笑)

次の新刊が出たら、また買おう。 これははまったぞ!!

外面が良いにも程がある。 (フラワーコミックスα)

外面が良いにも程がある。 (フラワーコミックスα)

  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2014/12/10
  • メディア: Kindle版

キレイなお姉さんの内緒の話 (フラワーコミックス)

キレイなお姉さんの内緒の話 (フラワーコミックス)

  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2014/03/10
  • メディア: Kindle版

君は唇から毒を盛る (フラワーコミックス)

君は唇から毒を盛る (フラワーコミックス)

  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2012/10/10
  • メディア: Kindle版

失恋専門 (フラワーコミックスα)

失恋専門 (フラワーコミックスα)

  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2013/07/10
  • メディア: Kindle版


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あなたの運がよくなる! 神さまへの願いの届け方 [和書 自己啓発]

これもカテゴライズが難しい・・・。 一応自己啓発ってことで。

大人買いの中の1冊。 これは、最近良くお世話になっている『日本の神様カード』(オラクルカード)を使うようになってから、ちょっと神様のことが知りたくなっていた矢先、 神社のお参りの作法などが載っていたので、即購入。 

意外と知らなかった礼儀作法が多く、お札やお守りとの付き合いなど、とっても勉強になった。

先日、思い立って富士山本宮浅間大社に行ってきた。 そのときにお札をいただいてきたので、簡易の神棚を設置し、今のところ、毎日お水をあげて、お参りしてますよ。 この本のお陰で、作法がわかった。(まだまだ我流だけどね)

禅の教え然り、神道の教え然り。 日本に古くから伝わるものというのは、日本人のDNAであり、今の世の中だからこそ、このDNAで世の中をよくする必要があるのではないか、と思う。 

日本には多くの神様がいらっしゃる。 それは古事記・日本書紀にちゃんと書いてある。 ちゃんと知りたいと思った。 神様のこと、日ノ本の国のこと。

おススメ度: ☆☆☆☆☆

あなたの運がよくなる! 神さまへの願いの届け方

あなたの運がよくなる! 神さまへの願いの届け方

  • 作者: 西邑 清志
  • 出版社/メーカー: かんき出版
  • 発売日: 2014/08/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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美しいひとになれる禅の言葉 [和書 自己啓発]

昨日の続き。

最近の、ワタシのアンテナがキャッチするキーワードは・・・ウサギは別として(笑)、『花』、『言霊』、『心』であり、この直感に従い、色々学びの輪を広げいているところなのだが、昨日の本と一緒に購入したのがこの本。 その2、とでも言いましょうか。

言葉が気になって、気になって・・・。 そういう時ってあると思うんですよ。 気になるものをキャッチして、ちゃんと知る必要があると思い、読んでみたわけです。

見たり聞いたことのある言葉の意味が、わかりやすく解説されていて、ハッとすることも多かった。 そして、ワタシにとっては『素晴らしい出会い』があり、本書にて紹介された言葉を屋号として名づけようと決意。 本当はね、英語でつけようとか、色々意味を検討したり・・・とか考えていたのね。 でも、この本をぱらぱらっとめくったとき、出会ってしまったのですよ。 それで、迷わず屋号に決定。 こういうひらめきと直感と行動力は自分らしいとも思うし、選んだ言葉も、ワタシらしいと思います。

さて、現役の禅僧さんたちが編纂した、とても心に響く言葉とその解説。 タイトルの『美しいひと』というのは、見た目ではなく、心が美しいということ。 昨日の本も奏だったんだけどね、ついつい人は外見だけで判断してしまいがち。 でもね、だんだん接していると、見た目の美しさと中身のギャップに驚き、美しいって思わなくなるんだよね。 心が美しい人って言うのは、それが身の内から沁み出てくるんだと思うのね。

そういう人になりたい、ってこの2冊を読んで思った。 梅の香りがほのかに香って人の心に残るように、本当の美しさはほのかに香るんだと思う。 そういう人になりたいなぁ・・・と思った。

小さなことから、実行してみたい。 昨日からの2冊は、本当におススメ。 もっと早くに出会いたかったな・・・この2冊。 いや、遅くなんかない。 今出会えたことが幸せってもんだ。 だって、これから変われるんだもん。

おススメ度: ☆☆☆☆☆

美しいひとになれる禅の言葉

美しいひとになれる禅の言葉

  • 作者: 東京禅僧茶房 shojin-project
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2014/01/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 


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花のように、生きる。 [和書 自己啓発]

最近、ようやく本を読む気になってきた。 良いことだ。 ただ、ちょっと時間はかかっているけどね。

3月中旬に、なんとなく本屋で物色しているときに、出会ってしまった1冊。

稼ぎもないのに、定価でわんさか買ってしまった日であった・・・。 orz

でもね、出会うべくしてであった本だと思った。

臨済宗の住職が書かれた、禅の教えを花にたとえたり、わかりやすく書いてくださっている。

何より感動したのが、『言葉が美しい』ということ。 最近言葉に関してもすごく気になっていたところに、この本。 何より『花』というキーワードに過剰に反応していたときだったので、迷わず買ってしまった。

ワタシは、梅の花って好きです。 冬の京都を訪れる楽しみとして、梅の花を見に行く、ということも含まれている。 あの可憐な花と淡いかぐわしい香り。 何故禅では、花は「梅」をあらわすのか・・・など、興味深い教えが書かれていた。 そして、何より、今のワタシにとって必要であろうことが、気付きが、たくさん書かれていた。

ありのままであること・・・。 それが一番美しく、且つ、一番難しいことである。 でも、そうありたい・・・ 心が洗われる感じがした。 ちょうど大学の講義(!! 言ってみたい一言だった・・・!!)の中で、仏教学を学ぶ授業もあり、タイムリーな感じ。 絶対に単位をとろうと思っていた矢先に、この本に出会えて、本当に良かった。 他にも禅の教えの本があり、それも現在読書中。 ワタシがありたい姿、やりたいことに対しての指針になると思っている。

今は、落ち込む時間よりも、学び、自分の知力にしたい。 血肉にしたい。

おススメ度: ☆☆☆☆☆

花のように、生きる。 美しく咲き、香り、実るための禅の教え

花のように、生きる。 美しく咲き、香り、実るための禅の教え

  • 作者: 平井 正修
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2014/09/18
  • メディア: 単行本

 


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あやなしの君 [和書 小説]

昨日読了。 ・・・だっけ??

ちょっと記憶があいまい。 読メで確認せねば・・・。

はい、昨日で間違いありません。(今日は31日)

で、本作ですが・・・ ブラコン関係で購入していたコミック誌『シルフ』に新しく連載された本作品。
何故注目したかというと・・・

①平安朝の話であること
②ブラコンの脚本(とでも言いましょうか)を書いていた水野さんの作

ということで、食いつきました。 コミック誌を買う前からTwitterで情報を得ていたため、途中数話読んだだけで、結構興味津々であった。

今回通しで読んでみたけど・・・ 妄想炸裂ですな。(笑) でも、結構つぼにはまっているんですよ。 第一、平安朝のバックグラウンドというところからして、ポイント高し。 しかも陰陽師?? 間違いないでしょう。

主人公いつきがお世話になっている葛木は、陰陽師ではなく『浄魂師』という、怨霊となった人の魂を浄化する仕事をつかさどるもの。 いつきも浄魂師としてデビューするのだが・・・浄化の仕方が、『妄想炸裂』なのである!! 乙女漫画チックだよね~。 といいつつ、結構喜んで読んでしまいました。

核となる登場人物 も、結構つぼにはまるが、怨霊がね~、また良いんですよ。 ただ、怨霊は浄化されれば消えるため、除外するにせよ・・・やはり道長、三善がワタシの中ではツボ。 葛木も良いよね~。 八束は、うーむ。 悪くはないが、最初の二人と比較すると、ちょっとね。

いずれにせよ、どんな話になっていくか、水野さんの手腕に期待。 とはいえブラコンほど、のめりこむことはないだろうな~。 それより、『フォルティッシモ』の2巻が4月に発売!! ということで、きっとまた連動イベントがあると思うので、まんまとそれにはまるんだと予想しています。 だって、エイチくん、大好きだもん♡

・・・ま、生涯乙女宣言は、未だ有効らしいです。

おススメ度: ☆☆☆☆

あやなしの君 一 (シルフコミックス)

あやなしの君 一 (シルフコミックス)

  • 作者: 水野隆志
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2015/03/19
  • メディア: コミック

 


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それは色めく不協和音 1 [和書 マンガ]

珍しく、新しい領域。

最近、ブラコンにはまって以来、『シルフ』という雑誌をたまに買うのだが、たまたまその連載で1話読んだときに面白いかも?と思っていた。 新刊として発売を知り、早速アニメイトで購入。 だって、ポイントがたまるんだもん。

極度の人見知りであがり症で小心者の奏一郎は、高校のピアノ科に入学したとたん、『ピアノ男子に目がない』という相当変わった美少女、音々に目をつけられ、追い回される羽目に。 ただ、音々の『ピアノ男子好き』には理由があるのだが・・・。

この奏一郎というキャラが面白い。 へたれであるがゆえに、人前に立つと倒れてしまう。 でもピアノを前に突如変化し、ものすごい演奏を披露するのだが・・・その記憶がまったくない。 ある意味トランス状態なのだと思うのだが。

なので、このピアノ男子が今後どうなっていくのかが楽しみ。 学園恋愛物なので、奏一郎と音々の今後を楽しく読んでいきたいと思う。 やっぱ、ピアノはいいね~。 たまには弾くか。

それは色めく不協和音 (1) (シルフコミックス)

それは色めく不協和音 (1) (シルフコミックス)

  • 作者: 加々見絵里
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2015/03/19
  • メディア: コミック


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境界の町で [和書 社会・ビジネス]

いまさらながら、本作のカテゴリー分類が難しかった・・・。 基本、ノンフィクションってあまり読まないし、でも、社会的な話だとワタシは思うので、とりあえず社会、ということで。

先日の3月11日。 震災の追悼記事やいろんな震災関連のニュースが飛び交った日。 たまたまヤフーのニュースの関連記事で、この本のことを知る。 通常のカメラが入らないところの写真がある・・・という、最初は興味本位。 だけど、読み進めるうちに、どんどん真実が明るみになる。

読メでも、結構賛否両論で、くだらない(あ、失礼。 でも本当のこと)揚げ足を取って、読むに足らないようなことを残す人もいたり、私の知人はこんなことはない・・・とか、論点がずれたコメントも中にはある。 そういうことじゃないってワタシは思うのだよね。

すっかり過去のお祭り騒ぎのような感覚が漂う今日この頃。 東京オリンピックに沸き立ち、未曾有の税金をいとも簡単に使う政府。 いやいや、お金使うところはもっと他にあるでしょ? 優先順位ってあるでしょ?? ってね、ワタシは思うわけです。

正直、(話しずれちゃうけど)オリンピックは反対でした。 だって、別のお祭り騒ぎを起こして、震災のことを放置しようとしているようにしか思えなかった。 おもてなしだか、なんだか知らないけど、何故同じ国民のためのおもてなしや思いやりがないのか、と。

過去の遺物ではない。 現在も進行している真実で、取り残されている人、帰れない人、苦しんでいる人は山ほどいる。 その真実に目を向けずにいたことにたいして、衝撃を覚えた。

本に書かれていることはフィクションでもおとぎの国の話でもなく、ただの真実。 しかも完結していない事実。 そういうことを受け止めて、本当に何ができるのかを考える必要があると、ワタシは思うわけ。

興味本位で図書館で借りたけど、多くの人に読んでほしいと思う。  手元に置くには重過ぎる。 でも、目を背けずに読んでほしいと思う。 いったい私に何ができるのか・・・ 本気で考えたい、そして考えてほしい。

境界の町で

境界の町で

  • 作者: 岡 映里
  • 出版社/メーカー: リトル・モア
  • 発売日: 2014/04/19
  • メディア: 単行本

 


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烏に単は似合わない [和書 小説]

バックデート第2弾。 なんとか記録しよう・・・。

 以前、本屋で並んでいるのをちら見して気になっていたところ、31さんのブログでの書評をみて、さらに興味深々! たまたま行った本屋でこの本のことを思い出し、購入。

最初は展開が気になり、ぐいぐい引き込まれ、一気に読了したのだが・・・。 正直、最後は『は???』というのがワタシの感想。

読メの記録として同じことを書いたんだけど、ワタシの中ではかなりの不完全燃焼。 ファンタジーというにはちょっと詰めが甘く、詰まるところ、これはミステリーなの?? という疑問が残る。

構想や世界観はとても興味深いし、面白かった。 でも、最後の章で、突如語り部が変わり、かなり後ろのほうに読み進んだところで何が起こっているのかを理解。 『え?? しゃべっている人が変わった!?』 と。 しかも、急に現れた『彼』が謎解きをぺらぺら話す?? 正直、ぜんっぜーーーーーーーーん理解できなかった。( ̄ω ̄;)

で、結局、彼はどんなポジションだったわけ、この話の中で?? という疑問が最後の最後まで消えなかった。 これってミステリー・・・なの? という疑問が読了後も後味悪く残った。

ファンタジーとしても、ちょっと辛口に言うと、いまいち。 せっかく面白い世界観を築いたのに、詰まらん謎解き(あ、ごめんなさいね~、でも本当のことだし)で台無しになり、結局、何が言いたかったの? というのが見えなかった。 あせびの話? 浜木綿の話? で、誰が主人公??? ・・・と。

惜しい、といえば、惜しい。 続きの話があるらしいので、読んでみたいとは思う。 でも、帯や解説に書かれていたような、大絶賛の作品とは、ワタシには思えない。 ま、あくまでも好みの問題もあるけれどね。

今後、どのように作風が確立されていくのか・・・見ものである。 (読了日:2015年2月14日)

おススメ度: ☆☆☆+0.5 今後の期待も込めて、辛口に。

烏に単は似合わない (文春文庫)

烏に単は似合わない (文春文庫)

  • 作者: 阿部 智里
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2014/06/10
  • メディア: 文庫

 


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なぜ時代劇は滅びるのか [和書 エッセイ]

ちょっとずつバックデートしよう。

数ヶ月前、ラジオで著者がしゃべっているのを聞き、とっても興味があったので、東京に行ったときに購入。 そうだ、思い出した・・・面接に行ったときだ。 有楽町の三省堂書店で買ったぞ。 あー、ちょっと思い出した。

さて。 ワタシは子供の頃から時代劇が結構好きで、水戸黄門をはじめ、三匹が斬るとか独眼竜正宗、年末は必ず忠臣蔵、と 違和感なく時代劇を見てきた。 いつの頃からか時代劇の放送自体がなくなり、とんと見ることがなくなった。 そもそも、最近はテレビ自体をまったく見ないので、世の中で何が好まれているのかとか流行がわからない。 別に知らなくても良いと思っていたが・・・。

この本は、何故時代劇が衰退し、テレビ放送から消え去ったかの考察と検証が書かれていて、正直、激しく同意であった。 ただね、いわゆる『ザ・時代劇』という、なんと言うかな・・・ワンパターンの安定感がある話も嫌いではない。 水戸黄門は、この時間に印籠を出す、それを見るのが楽しみ・・・というのもあるわけ。 ワタシは必ずその時間に二階から降りてきて、『控えぃ、控えぃ! ここにおわすお方をどなたと心得る? 水戸光圀公にあらせられる。 えぇい、頭が高い!  控えおろう!』 という紋所をだすのを一緒にやり、あの東野英治さんの『カッカッカッカ!』という笑い声を聞くのが大好きだった。←これは再放送のほうだったと思うが。 とにかく、あれが良いんだよ、あれが。

それに、昔の役者さんたちはうまい。 ちゃんと活舌も良いし、立ち回りもうまい。 ちゃんと役者を勉強して骨身に染み付けた人たちなんだなぁと、今ならわかる。 それに気付いたのが、昨年の『るろうに剣心』。 んまー、興ざめよ、興ざめ。 あれでよくも『役者です、女優です』なんていえるもんだ、と思う。 だから、最近のテレビは見たくないんだと思う。

その思いが、まさに著書に書かれていて、本当に大いに納得・同意であった。

時代劇が古臭いわけではない。 作り手と演技手の傲慢が、こういう状況を作っているのだと思う。 だって、時代小説には、面白いものがたくさんある。 なのに、それを知識も技術もない、付け焼刃で映像にしようとするから『興ざめ』するんだよね。

ま、映像は良いよ。 ワタシは自分の頭の中で、人々を動かし、生き生きとした姿が見られれば。 ただ、昔のような面白い時代劇、カッコいい時代劇、勧善懲悪の時代劇が見たいもんだ。 気骨ある作品を見てみたい。 (読了日:2015年3月15日)

おススメ度: ☆☆☆☆☆

なぜ時代劇は滅びるのか (新潮新書)

なぜ時代劇は滅びるのか (新潮新書)

  • 作者: 春日太一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/09/16
  • メディア: 新書

 


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